「自己肯定感が低い人って、なんであんなにネガティブなの?」「自信がないくせに、なぜ攻撃的な態度を取るんだろう?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、自己肯定感の低さとネガティブ・攻撃的な反応には、深い心理的なつながりがあります。
そしてそれは「性格が悪い」という単純な話ではなく、防衛反応としての心のメカニズムなのです。
この記事では、自己肯定感が低いとなぜネガティブや攻撃性につながるのか、その仕組みと改善の方向性を解説します。
自己肯定感が低いと起こる心の変化
自己肯定感(self-esteem)とは、「自分を価値ある存在だと感じられる感覚」のこと。
これが低い状態では、心の奥底にこんな前提が形成されやすくなります。
- 「自分には価値がない」
- 「否定されやすい存在だ」
- 「劣っているのがバレたら終わり」
この前提があると、他人の言葉や態度、成功が無意識に脅威として知覚されてしまいます。
心理学的な研究でも、自己肯定感が低い人は自分をネガティブに評価しやすく、劣等感や自己否定につながりやすいことが示されています。
なぜネガティブになるのか?(内向きの防衛反応)
脅威を「自分の中」で処理しようとすると、次のような流れが生まれます。
- 他人と比較してしまう
- 比較の結果、劣等感を抱く
- 劣等感が無力感に変わる
- 無力感が抑うつ・諦め・回避につながる
これは「自分を守るために、感情を落とす」という防衛反応です。
自己肯定感が低い人は他者と自分を比較して「自分は他人より劣っている」と感じることで、落ち込みやすくなったり、不安や悲しみなどのネガティブ感情が増えることがあります。
なぜ攻撃的になるのか?(外向きの防衛反応)
一方で、同じ脅威を「外に向けて」処理すると、こうなります。
- 否定されそうな不安から怒りが生まれる
- 怒りが相手を下げる行動に変わる
- 相手を攻撃することで一時的に自分が保たれる
ここで重要なのは、攻撃性は自信過剰ではなく、脆い自己評価の裏返しであることが多いという点です。
研究では、低い自己肯定感は外向的に表れる問題(攻撃性、反社会的行動など)と関連しているという結果が報告されています。
つまり、自己肯定感が低い人は否定的な思いを他人に向けてしまい、怒りや敵意として表出することがあるのです。
ただしこれは「自己肯定感がないから必ず攻撃的になる」という単純な因果関係ではありません。
ネガティブな自己評価や劣等感が強まる過程で、ストレスや不安の処理方法として攻撃的な反応が出ることがある、という理解が一般的です。
優越感も同じ?比較という共通点
「自分は優れている」という優越感も、実は他者との比較から生まれています。
優越感を持つ人も、常に他人と自分を比べ、相対的な位置を確認することで自己評価を維持しているのです。
劣等感でも優越感でも、他者との比較を基準にしているという点では同じ構造。
どちらも自己肯定感とは異なる、不安定な自己評価の表れと言えます。
「自己肯定感を上げよう」が失敗する理由
ここでよくある罠があります。
- ポジティブ思考をしよう
- 自分は大丈夫だと言い聞かせよう
- もっと自信を持たなきゃ
しかし、自己肯定感が低い人ほど、これらのアプローチは心に弾かれてしまいます。
なぜなら、内側にある「私は価値が低い」という前提が未処理のままだからです。
改善の現実的なルート
では、どうすればいいのでしょうか?
重要なのは、自己肯定感ではなく、自己効力感と自己有用感から調整することです。
自己効力感を先に育てる
自己効力感とは「自分にはできる行動がある」という感覚。
小さな成功体験でOKです。
- 今日これをやった
- 失敗したけど対処できた
- 完璧じゃないが進められた
「私は価値がある」ではなく「私は対処できた」を積み重ねる。
これが、攻撃性やネガティブ感情を静かに減らしていきます。
自己有用感を役割ベースで回復する
自己有用感とは「誰か・何かにとって役に立っている感覚」。
ポイントは評価ではなく機能です。
- 誰かの作業が少し楽になった
- 誰かの思考が整理された
- 記録として残った
大きな承認は必要ありません。
「機能した」という事実だけで十分なのです。
感情のラベリング(攻撃性の手前で止める)
攻撃的になる人に共通するのは、
「怒っている」と思っているけれど、
実際は恥・恐れ・無力感を感じているケースです。
ここで使えるのが感情の言語化。
- 「今、私は否定される恐れを感じている」
- 「劣っていると思わされる不安がある」
感情は名前をつけるだけで強度が下がります。
まとめ
自己肯定感が低い → 劣等感 → ネガティブまたは攻撃性
この流れは性格の問題ではなく、防衛反応です。
改善のポイントは:
- 無理に自己肯定感を上げようとしない
- 先に自己効力感(できた)と自己有用感(機能した)を積む
- 攻撃性は「弱さのサイン」であり、訂正すべき欠陥ではない
自己肯定感が低いと、自分を否定的に捉えやすくなり、他人と比較して劣等感が出やすく、不安や恐れが増えて外向きの否定的な反応(怒り・攻撃性)につながることがあります。
しかしそれは心の防衛メカニズムであり、適切なアプローチで改善していくことができるのです。
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参考文献・出典
- オンライン・タブレット教材すらら「自己肯定感、自己効力感、自己有用感はどう違う?意味や高め方を解説」
(https://surala.jp/school/column/3529/) - CiNii(学術情報データベース)
自己肯定感と攻撃性・反社会的行動に関する研究論文
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございます。



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