目に見えない「心の境界線(自他境界)」
境界線(バウンダリー)とは、自分と他者のあいだにある
「ここまでは私の領域、ここから先はあなたの領域」という心の線です。
不健全なバウンダリーのタイプ
緩すぎる(境界が曖昧)
- 嫌なことでも「NO」と言えず、相手の要求をすべて受け入れてしまう。
- 他人の機嫌やトラブルを自分の責任のように感じて疲弊する。
硬すぎる(境界が頑丈)
- 他者との間に高い壁を作り、親しい関係や助け合いを拒絶する。
- 他人の感情や困りごとに共感できず、孤立しやすい。
境界線にはいくつもの種類がある
バウンダリーは、身体的な距離だけを意味するものではありません。
実際には、いくつもの領域にまたがって存在しています。
身体的な境界線
身体に関する境界です。
たとえば、
- 勝手に触らない
- 嫌がっているのに抱きつかない
- 私物を勝手に使わない
- 自分が望まない性的接触を受け入れない
などがあります。
身体は、自分自身に属する領域です。
親しい相手であっても、本人の意思を無視して自由に扱ってよいものではありません。
感情の境界線
感情にも境界線があります。
「あなたが怒っているから、私が謝らなければならない」
「あなたが不機嫌なのは私のせい」
「あなたを幸せにするのは私の責任」
こうした考え方が強くなると、自分と相手の感情が混ざってしまいます。
相手の感情を理解することと、相手の感情を自分が背負うことは別です。
共感と責任は同じではありません。
時間の境界線
時間も、自分の領域です。
たとえば、
「いつでも連絡に応じて」
「休日でも仕事をして」
「暇なら付き合って」
と要求されることがあります。
しかし、自分の時間をどう使うかは、本来その人自身が決めるものです。
「今日は休みたい」
「今は返信できない」
という選択も、境界線のひとつです。
お金や所有物の境界線
お金や物にも境界線があります。
「友達なんだから貸して」
「家族なんだから払って」
「これくらい使ってもいいでしょう」
という言葉で、本人の同意を飛び越えてしまうことがあります。
しかし、親しい関係であっても、
相手の所有物を自由に使える権利が発生するわけではありません。
価値観・意思決定の境界線
最も見えにくい境界線のひとつです。
「普通はこうする」
「あなたのためだから、こうしなさい」
「そんな考え方は間違っている」
と、相手の人生の選択まで決めようとすることがあります。
助言することと、決定権を奪うことは違います。
意見を伝えることはできます。
しかし最終的にどう生きるかを決めるのは、その人自身です。
次回は、こうした境界線を「なぜ引くのが難しいのか」、そして「NO」という言葉の本当の意味について考えていきます。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございます。
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